たくよ〜警察官やめたってよ!中編

 

たくよ〜警察官やめたってよ!前編
警察官になったら、まず警察学校に入ります。 人生で一番辛かったのはここで過ごした時間です。 暗い話ですので病んでる方見ないほうがいいです。

 

ある日、グラウンドでの集団行動

 

 

行進中。

前にいた仲間の手が自分の胸に当たり、

制服の前に着いたボタンが取れました。

「あっ!!」

すぐに気づき拾おうとしますが…

「足を止めるな!!合わせろ!」

もしその足を止めれば、

連帯責任により班全員での腕立て伏せが待っています。

 

(これ以上迷惑をかけられない…)

 

(授業後に一人で探そう…)

 

そう考えました。

 

しかし、行進終了後に教官へ報告すると・・・

 

「馬鹿野郎!!」

 

「なんで早く言わない!!」

 

「全員で探すんだ!」

 

警察官という職は備品を厳しく管理しなければなりません。

警察手帳。

帽子。

ボタン。

 

備品を失くすことは、

拾った人に悪用される可能性があります。

また懲戒処分の対象となり、

査定や給与・ボーナスにマイナスの影響となります。

周りの評価も下がり昇進も難しくなります。

なので学校では厳しく指導されます。

警察官として絶対に避けなければならないことです。

 

その後、

100人近い生徒が一列に並び、

グラウンドを屈みながら歩き出します。

 

程なくして、一人の生徒がボタンを見つけました。

 

「ありましたっ!」

 

 

「たくよ〜!!」

前に出てみんなに謝れ!」

そう教官に言われ、

100人の生徒の前に立ちました。

「みなさん・・・ご迷惑おかけして申し訳ございませんでした!」

「二度とこういったことがないよう気をつけます!」

 

行進時の掛け声でかれきった喉で、

必死に謝り続けました。

 

「たくよ〜は腕立て50回!」

「たくよ〜の班の者は、30回!」

・・・。

 

警察学校はある意味で、

『公開処刑』

が日常的に行われます。

 

そこで、

「なにくそ!」

と思って頑張るか・・・

 

『心が折れて』

諦めてしまうのか・・・

 

「これくらいで心が折れるようでは…」

「警察官はやっていけないよ」

と、わかりやすい形で

『ふるい』

にかけられているのです。

 

ほとんどの生徒は辛いことがあっても、

自らの努力

仲間の助けで、

乗り越えられる人達ばかりです。

 

別の県で警察官になった友人は、

「いい仲間に恵まれたから卒業できた」

「彼らがいなかったら俺は…辞めてたかもな」

そう言っていました。

 

ただ、

『使えないやつ』

そして、

『PATM』

といった奇異な体質を持った僕を、

『仲間』だと思う者は一人もいませんでした。

 

寮へ戻ると、

「アイツ、俺の班のやつなんだけどさ…」

「ホントいい加減にしてほしいよな」

「腕の筋肉だけ付くわw」

「しかもアイツの近くにいるとさ・・・」

同じ班のヤツが別の班の生徒に言っていました。

 

 

部屋に入ろうとすると班のメンバーに、

その夜班でのミーティングがあることを聞きます。

 

その予定時間前に談話室へ向かうと…

すでにみんなが集まっていました。

 

そして第一声・・・

 

「なんでお前来たの?」

 

「・・・えっ?」

 

「呼んでねえしっ!」

 

「あっはっはっはぁ」

 

彼らにとっては、これが『娯楽』の一部になっていたように思います。理不尽なことが多く不満やストレスが溜まりやすい学校生活では日々の生活の不満をぶつけるのに僕はきっと格好の『的』だったのでしょう。

こういった憂さ晴らしは毎日繰り返されました。

 

夜自分の部屋でひとりになるたび、

「なんでだよっ・・・」

「警察官を志している奴らがすることかよ」

と悔しさや悲しみで胸がいっぱいになりました。

 

組織を重んじる警察組織で…

警察学校という狭く、

閉鎖された空間で孤立することは、

『死』

に値します。

 

 

そのときの僕はまるで

『死刑宣告』

受けたように感じていました。

 

 

「もう限界かも・・・」

「周りにもこれ以上迷惑かけられない」

 

辞める決意を固めたある日、

 

「コンコンッ」

 

部屋のドアをノックする音が聞こえたのでした。

 

 

 

つづく

 

たくよ〜警察官やめたってよ!後編
警察学校後編です。 やめることを決意した話です。

 

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