マダム宅での出来事⬇︎

そして、約束の1週間後。
『マダム』に迎えられ、
あの部屋に入ると例の『小マダム』達がたむろっていました。
「この間の牛乳気に入ったわ♡」
先週マダム宅からの帰り際、彼女達にサンプルを渡していました。
ほんとに気に入ってるのか・・・?。
疑わしいですがとりあえず契約さえとれれば僕の成績になるのでしめたものです。
小マダム5名のうち3名が契約。
この契約書を持って逃げようと決めました。
しかし案の定、ビジネスの話はすぐに始まり・・・
マダム「とりあえずみんなパソコン見て…」
その画面に映り出されたのは、複数の人達でした。
(テレビ電話?)
「仙台の鈴木です、現在のランクはブロンズです!盛り上げていきましょう!」
「沖縄の鳥飼です!シルバーです!夢を掴みましょう!」
(こいつら何いってんだ?)
すると、その中のリーダーっぽい50歳くらいの男性が話始めました。
「どうも、『平海』です。『トークドリーム』の時代がこれから・・・」
「来ます!」
そう言うと、プロモーションビデオが流れはじめました。
その内容をまとめると、
- 商品の名前は『トークドリーム』
- 最先端の技術を兼ね備えた動画コンテンツ(このテレビ電話機能を始め、動画メールなどなど)
- 今後ネット世界の90%が動画中心になる
- 入会費、月額費を払えば商品を使う権利を得られる
- 自分の下に新規入会者が付けば、自分に権利収入が得られる
- ブロンズ、シルバー、ゴールドなどのランクがあり、下に人を付ければランクが上がり収入も増える
- 『トークドリーム』は世界を席巻するようになる
とのことでした。
(もろ、マルチやん・・・)
ここで、マダムが僕の後ろから、
「平海さん、始めて一年も経ってないけどすでにゴールドランク。なにもしなくても月に5、60万円は入ってきてるんじゃないかしら。」
(そっ…そうなん?)
(いっ、いやいや)
(いかんぞ)
(怪しい怪しい…)
「しかもリク◯ートって会社で働いていたエリート。こっちのほうが面白いし、儲かる。」
そして・・・
「人のためになる」
「そういって、トークドリームを始めたのよ。」
(えっええ?)
(あの有名なリク◯ートを辞めてまで…)
平海さんが続けて、
「トークドリームはアメリカの上場企業『◯◯』や、『◯◯』、日本でもよく知られてる車メーカー『V◯』でも使われているんだ。」
「とても信頼の置ける商品なんだよ。」
(まじっ?)
(そんな有名企業で!?)
「それではビデオ会議を始めましょう!」
そこに映っている人たちが熱い思いをそれぞれ語り始めました。
「それでは、石川県のユーコさん!」
そう呼ばれてマダムが、
「え〜、みなさ〜んこんにちは!今日は新しく入ってくれる男の子をつれてきています。」
「たくよ〜くんです!」
(えっ??入ってくれる?)
平海「ああっ、ユーコさんから聞いてるよ」
「期待の新人君だろ?」
「精悍な顔つきをしている」
「きっと大きな仕事をやってくれる。そんな気がする」
「キミがこのチームを・・・」
「引っ張っていってくれ!」
「たくよ〜くーん♪」
「たくよー!」
「たくちゃーん♡」
ででっ…デデデデデデデ…
「頑張ります!!」
そう言っちゃったのでした。
つづく

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